ナガミヒナゲシは本当に駆除したほうがいいの!?危険外来種って何なのだ!

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ナガミヒナゲシは本当に駆除したほうがいいの?
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塩畑 貴志
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ウェブマーケティング・パソコン修理はPasolack
ネット界隈では「ぐに」って呼ばれてます。“できないをできるに変える” が座右の銘。ウェブマーケティング・パソコン修理はPasolackでやってます。 大学でICTの講義をたまにしたり、いろいろと飛び回ってます(^^) 夢は “学校の先生の負担を軽減して、子供たちと接する時間を増やす取り組みを増やす” こと。
この記事の所要時間: 1352
社長
ぐにさん!危険外来種が出現したわよ!
ぐに
社長、エイリアンでも出たんですか?
社長
違うわよ!花よ!ナガミヒナゲシっていう花!
ぐに
花ですか〜。本当に危険ですか?
社長
生態系が崩れるってFacebookで回ってきたもの!危ないわよ!
ぐに
ほほぅ。ではどのように危なくて、どのようにすれば収まりますかね?
社長
う…。それは…。
ぐに
ま、せっかくだから調べてみましょうよ。

▼今回の記事作成に、ナガミヒナゲシを専門に研究している藤井 義晴教授からご厚意で情報を提供していただきました▼

藤井義晴教授「お求めに応じまして、とりあえず個人的な情報として次のように回答させていただきます。」
藤井義晴教授「お求めに応じまして、とりあえず個人的な情報として次のように回答させていただきます。」

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ナガミヒナゲシの特徴

危険外来植物?ナガミヒナゲシ
危険外来植物?ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシは可憐な淡赤色の花です。ヒナゲシに比べ,子房が細長いのが名前の由来にもなっています。

雑草として各地に広がっている。高さ20~60cmで、ヒナゲシに似ていますが、花はやや小さく淡赤色で、果実(さく果)は細長い形をしています。

出典:東京都健康安全研究センター

ケシ科の植物は形が似ていることから、区別がつきにくくなっています。

見分けられる部位は

  1. がく片
  2. 苞葉
  3. 柱頭の放射線
  4. 茎につく葉

があります。できるだけ多くの部位を観察して見分けることが重要です。

特徴は東京都健康安全研究センターに掲載されていますので、ナガミヒナゲシとポピー(オニゲシ)の比較にご利用ください。

ナガミヒナゲシには爆発的な繁殖力がある

ナガミヒナゲシは非常に繁殖力が強いです。

強い原因は、種子が多く、一つのさやに1600粒、一株から8万粒~20万粒くらい生産されます。

▶このブログではナガミヒナゲシのびっしりなタネが見れますよ

発芽能力について

ナガミヒナゲシは6月に播種します(土に落ちる)が、すぐには発芽しません。

10月になると約20%が発芽し、そのまま冬を越します。(寒冷地では枯死します。その要因で北海道ではナガミヒナゲシが少ないようです)

翌年の春の4月にも残りの20%が発芽します。さらに残りの60%は休眠しており、翌々年以降にのんびりと発芽します。

なお、このような特性は雑草の一般的な特性です。
春に発芽した種子からは小さな個体しかできませんが、小さな個体からできた小さな実に含まれる種子も発芽能力があります

また、未熟な実からも後熟という現象で立派に発芽する種子ができます。

種子は0.6mm、一粒が0.13mgとたいへん小さく、道路のすきまのようなところでも発芽し生育できます。

発芽環境について

アルカリ性が特に好きかどうかわかりませんが、コンクリートの隙間でも容易に発芽して生育します。

アルカリ性の土壌にしか生えませんよという記述をしているところもありますが、ナガミヒナゲシはコンクリート以外だったらどんな土でも生えてくるようです。
国立環境研究所にも記述してあります)

交差点でよく見かけるのはなぜ?

実ができるのがちょうど梅雨どきで、その雨で車のタイヤにくっついて道路沿いに広がっていると推定しています。

このような特性が都市の道路沿いに広がっている原因と思われます。

どうやって日本で繁殖したの?

日本では観賞用として栽培されることはあっても、園芸植物種子として販売されていません。

1994年前後に輸入冬作物中に種子が混入していたことから、非意図的な導入と考えられています。

1991〜2007年にかけて日本全土に広まったのは、温暖化によって気温が1.4〜1.7℃ほど非生育地よりも高くなったことが要因で、降雨量も発生・生育に大きな影響を及ぼすと考えられています。

ナガミヒナゲシのアレロパシーについて

アレロパシーは、ある植物がほかの植物や昆虫や微生物などに、生育促進、阻害を含めた何らの影響を及ぼす現象を意味します。

アレロパシーは私の専門分野で、その活性を自分達が開発した「プラントボックス法」や、「サンドイッチ法」という方法で検定しましたところ、相対的には強い活性がありました。

ただ、この話が一人あるきして、周辺の植物をアレロパシーでばたばた枯らすように思われているようですが、それほど強い現象ではなく、生育を少し阻害する程度と考えています。

たしかに、ナガミヒナゲシや、他のアレロパシーが強い植物で、周囲に他の
植物が少ない現象が見られますが、それは、ほとんどが光の競合によるもので、アレロパシーの寄与はその一部と考えています。

ただ、このような光の競合が強い被覆植物で、アレロパシー活性が強いものは、他の植物の生育を抑制する可能性があると考えています。

ナガミヒナゲシが在来種に及ぼす影響については、今後研究しないわかりませんが、個人的にはそれほど影響がないのではないかと考えています。

また、アレロパシーの強い植物は、セイタカアワダチソウやアスパラガスなどで知られているような、自分自身の成分の蓄積で生育が悪くなり、衰退していく「自家中毒」の現象もみられます。

出典:藤井 義晴教授とのメールより

ナガミヒナゲシが他の生物に及ぼす影響は、アレロパシーではなく、光の競合にあるんですね!

ちなみに光の競合とは、日光が当たる箇所を植物同士で遮光してしまい、光合成がうまくできなくなってしまう現象です。

アレロパシーは雑草除去や、土壌改良に使われる

アレロパシーって調べる前までは、良いイメージを持っていなかったのですが、調べてみると自然的な生育だということが分かってきました。

近年、クリーン農業や環境保全型農業といった言葉をよく耳にします。
これは環境問題や農薬使用の規制などから、消費者がもっとも注目している農業のカタチです。

そんな消費者の「無農薬・有機」といった期待に応えるべく、
日光種苗では除草剤の軽減となるアレロパシー植物の種を販売しております。

出典:日光種苗

除草剤を撒いていくと土壌汚染が広がってしまうので、植物が植物を枯らす力を利用している業者もいるようです。

これだとアレロパシーもクリーンなイメージですね!

ナガミヒナゲシの毒性について

基本的に、ケシの仲間は有毒植物です。

では、ナガミヒナゲシはどうかというと、藤井教授からは食べないようにしてくださいとの注意をいただきました。

毒性がないと書いてある資料もあるようですが、ナガミヒナゲシには、あへんの成分を含んでいないとされていますが、ケシ科特有のアルカロイドが含まれており、食用にしない方がよいと思います。

葉には、虫や微生物による食害がほとんど見られないことから、これらに対する有毒成分、抵抗性成分を含んでいると考えられます。

ただし、種子は、けしの実と同様、あへんの成分や有毒成分は含まれていないようで、中東地方ではナガミヒナゲシの種子を食用にしたとの食歴もあるようです。

出典:藤井 義晴教授とのメールより

きのこなどもそうですが、植物もどのような毒があるかは見ただけでは分かりません。

くれぐれも食べないように!

ナガミヒナゲシの駆除について

駆除するべきかどうかの判断基準

駆除するべきかどうか、駆除の方法についても藤井教授から丁寧にご回答をいただきました。

ナガミヒナゲシは、現在のところ、環境省が外来生物法で定めている、駆除対象となる「特定外来生物」にも、また、旧要注意外来生物(いまは、生態系被害防止外来種リスト)にも指定されていませんので、個人で栽培するのは自由です。

ただ、繁殖力が強いため、意図しない場所で繁茂している場合、これを「雑草」とお考えの場合には、駆除されるのがよいと思います。

ご家庭のお庭で、花が美しいからと栽培されていても、その強い繁殖力で周辺に広がり雑草化するので、目的とする場所以外で生育している場合は駆除されるのがよいと思います。

ただ、これをお花として楽しもうと栽培している方に、これを強制的に取り除きなさいと強制するのは行き過ぎだと思います。

出典:藤井 義晴教授とのメールより

ナガミヒナゲシは繁殖力が強いですが、育ててはいけないという植物ではありません。

もし、駆除するべきかで悩んでいる場合は

  • 自宅の庭に生えてしまった
  • 自分の畑に生えてしまった
  • 観光地だから生えると困る
  • どうしても気になる

このような方は駆除すると良いと思います。

駆除の方法について

ロゼット状態の駆除

駆除される場合は、最適な時期は、まだ花が咲かない、ロゼットといわれる状態のときです。

▼こちらのブログにナガミヒナゲシのロゼット状態の画像があります

ロゼットは、葉がべったりと地面に張り付いてバラの花のような形の葉が出ているときです。この時期に抜き取ると、根も簡単に抜きとることができ、種子も撒き散りません。

しかし、ロゼット状態のナガミヒナゲシは区別がつきにくく、素人が見分けるのは難しいです。

実が出てからの駆除

ロゼット状態ではナガミヒナゲシか分からない場合は、花が咲き、実が出来てくると見分けやすくなるので、その時期を狙いましょう。

気をつけていただきたいのは、この時期はすでに種子ができてしまっています。青い未熟な実の中にある種子も後熟といって、置いておくと発芽力のある種子になることがあります。

この時期に、除草機械や鎌などで刈り取ると、かえって種子をまき散らすことになり、翌年再生してきますので、手で慎重に抜き取るのが最善です。

駆除する際の注意

ナガミヒナゲシを抜き取られる場合には、軍手や、ゴム手袋などを着用しましょう。

葉や茎を切ったときにアルカロイドを含む黄色い乳液が出てきて、皮膚の弱い方はかぶれたり皮膚炎を起こす可能性があるためです。

このとき、種子をまきちらさないように十分注意してください。

取った種子は、ビニール袋に入れて燃えるごみとしてだし、焼却処分されるのが良いです。

危険外来植物って何?

今回のナガミヒナゲシの駆除騒動は、とある有名な作家さんが自分のツイッターや、Facebookにて自作のチラシを拡散したことが事の始まりです。

それが、鳥取環境大学のFacebookページに拡散されたことが、今回の騒ぎの原因のようです。

どうして問題なのか?

今回使われたチラシのような一枚絵には、作成者名や根拠となる情報ソース(出典)が記されていませんでした。

さらに、「危険外来植物」という外来種の区分として存在していない用語を創作して使い、“特定外来生物”指定植物をも上回る影響がある」という拡大解釈と思える文章を書いて恐怖心を煽っていることが問題となりました。

危険外来植物という言葉は定義されていませんので、注意してください。

危険外来種って何?

日本の外からやってきた種類で、日本本来の生態系を破壊したり、人間の活動に大きな影響をもたらす可能性がある生物です。

つまりは本来、ここには存在しない種が大きくのさばっているということですね。

ただ、ナガミヒナゲシは駆除対象となる「特定外来生物」、旧要注意外来生物(現:生態系被害防止外来種リスト)には指定されていません。

侵入生物DBには記載されておりますが、過剰に反応しないようにしてください。

まとめ

社長
は〜、意外と知らないこと多かったわね〜!
ぐに
ナガミヒナゲシとしては一生懸命生きようとしているだけなんですけどね……。
社長
これも人間のエゴなのかもねぇ……。
ぐに
ネコが人間らしいこと言ってますね(笑)

藤井 義晴教授からのメッセージ

ナガミヒナゲシにかぎらず、このような外来植物が日本の生態系を壊す、日本の在来種を駆逐する、ということを研究の裏付けもなく発信し、危険外来植物というレッテルを張ることがないようにお願いいたします。

ナガミヒナゲシも結局は新しい雑草が入ってきたと考えています。

くれぐれも、危険意識を煽ることがないようにお願いいたします。

大事なメッセージを頂戴いたしましたので、掲載いたします。

ナガミヒナゲシも私たち同様、この地球に生きる生物の一つです。

正しい知識を持ち、理解をした上での行動をよろしくお願いいたします。

参考文献

▶不正なケシの見分け方

▶日本列島におけるナガミヒナゲシの生育地の拡大

▶緑化植物コラム どこまできわめる(東京農工大学 吉川正人先生)

http://www.jsrt.jp/pdf/dokomade/35-4nagamihinageshi.pdf

謝辞

藤井 義晴教授、関係者の皆様、ありがとうございました。

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目安箱

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