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ゆいことば

茨城の片隅で大学生をしている、アクティブでちょろい根暗の文章置き場です。

ひとりごと

自分で自分にOKを出すということ #soar応援

soarのことを説明しようとするとき、なんと言えばこの感じが伝わるんだろう?といつも考えます。

soarは、からだやこころ、家庭環境などに困難があっても、人は可能性を広げていけるということを伝えてくれる活動です。

webサイトには、困難を抱えていても、自然体で人生を楽しむ当事者の方、当事者を支援する方のインタビューなどが掲載されていて、

人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくメディア

というsoarのコンセプトが掲げられています。

もちろん、端的に言えばその通り。

なのだけど、soarに掲載される文章を読んだとき、soarのイベントに行ってその優しい空気感に包まれたときの、涙が出るような解放感までうまく伝えるには、どう表現したらいいんだろう、といつも考えさせれられます。

 

好きなものや大切なもののことを語るときの、言葉が追いつかなくなってしまう感じが、soarにはあるなあといつも思うんです。

 

soarを見ていて、自分のことを振り返った

 

ところが、そんな大好きなはずのsoarに、私は少し近寄れなくなった時期がありました。それも、わりと最近まで。

明確なきっかけは特になく、
「soarで紹介されるさまざまな『当事者』の方たちはこんなにすごいのに、自分は何もできていない…」という申し訳なさが、なぜかじわじわ大きくなっていたんです。

自分でもどうしてそう思うのかわからなかったけれど、ある日思い当たりました。
そういえば、私もあることの『当事者』だったんです。

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私は漏斗胸(ろうときょう)という、胸がへこむ病気を持っています。

といってもそれは命に関わるものでも、生活に支障を来すものでもありません。
服薬や治療が必要な病気ですらありません。
ただ生まれつき胸のかたちが左右非対称で、人と比べて上半身に厚みがなかったり、息が上がりやすかったりする程度です。

 

幼い頃から、なんだか左右の胸のかたちが違うね、と親に言われていて、病院をいくつか回ったすえに診断されました。

漏斗胸の原因は、肋骨などの骨が歪んでいるからではないかと推測されています。へこみ具合は人それぞれらしいのですが、私は軽度でした。

それでも両親は悩んだようで、9歳のときに、手術するかしないかの話になりました。

私はそのとき子どもながらに、どこも悪くないのに人目を気にしてからだを変えるのはいやだなと思って、それから単純に痛いことは怖いなと思って、「手術はしない」と言い切りました。

だから、いまも右胸は少しへこんだままです。

思春期の頃は、やっぱり手術すればよかったかな、と少し後悔もしました。
特に中高生は制服や体操服などみんなと同じ服を着るので、からだの違いが顕著になります。
見比べられるのがいやで、髪を伸ばして胸部が隠れるようにしていたこともありました。

でも時間をかけて、9歳の自分の選択と、いまの自分のからだにOKを出せるようになったんです。

「自分に似合う服を選べるようになればいいし、受け入れてくれるパートナーを見つければいいし、なによりこのからだが私の普通なんだよな」と思えるようになりました。

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それからは、特になんとも思わず、普通に生活しています。
気にしなさすぎて、普段は自分にその病気があることすら、ほとんど考えなくなるほどでした。
そもそも病気という意識が薄いし、人に話したこともそこまでありません。

でも、soarに登場する当事者の方たちはみんな、自分が当事者であることを引き受けていて、そのうえで何かしら活動をしている方が多いんです。

私は当事者であるのに、何もしていない。

そういうふうに、勝手ながら引け目を感じていたのかもしれないな、と最近気づけました。

 

自分で自分にOKを出すということ

 

私がいままで、漏斗胸にまつわる発言や活動をしなかったのは、いまの私にとって漏斗胸がそこまで大問題ではないから。

それに、わざわざ主張する意味もないと思っていたし、どういう言葉で伝えればいいかわからなかったから。

ただ、soarの記事やイベントの感想で、「問題を抱えているのは自分だけじゃなかったんだ」「自分と同じ状況でも楽しく生きている人がいるんだ」というさまざまな声をたくさん見聞きするようになって、ちょっと意識が変わりました。

私がオープンにすることで、誰かの気が楽になることがあるかもしれない、と。

かつての私と同じように、自分のからだが好きになれない人や、「こんな胸で恋人ができるのかな」と不安に思っている人、お金が心配で手術に踏み切れない人がいるかもしれない。
そんな当事者の方を案じているご家族やお友達もいるかもしれない。

漏斗胸は、1,000人に1人の割合で発現します。決して少なくない数字です。
漏斗胸でなくても、胸が小さくて悩んでいる女の子はたくさんいます。

多種多様なその人たちを、まるっきり自分と同じと捉えることはできませんが、少なくとも
「普通のからだを目指す選択肢もあるけど、そうしなくても自分のからだにOKを出せるようになることもあるよ」
「私の右胸はずっとへこんだままだけど、いまハッピーでいられているよ」

とは、言えるんじゃないかなと思います。

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soarには、自分で自分にOKを出して生きている人がたくさんいます。それを見て安心する人、勇気づけられる人もたくさんいます。そういう人を見ると、それが知らない誰かでも、私は嬉しくなります。

だから、いままでは自分の漏斗胸のことを意識せずに受け流してきたけれど、当事者であるということを少しだけ引き受けて、こうして発信してもいいかなと思えました。

私が私のからだにOKを出しているということ、それを言い出すきっかけを与えてくれたsoarに、感謝しています。

これからもいろんな人のOKのかたちを、soarで見れますように。

soar

 

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